精神的に楽な仕事、ノルマのない仕事をしたいと思っているから公益財団法人。
そんな考え方だと、公益財団法人はやめとけと確実にお伝えします。
なんとなく楽そうだから、公益財団法人。なんとなく楽そうだから、公務員。
これらの考えで、転職活動をしてしまうと失敗する確率が上がると思います。
この記事では、そんな公益財団法人をやめとけと言える理由、オススメな理由をまとめてみました。
公益財団法人が楽そうなのは同意しますが、公益財団法人って当たり外れが激しすぎるんです。
ボーナス7ヶ月強のトップオブトップ公益財団法人もありますが、多くは公務員以下の年収であることがほとんど。
そんな公益財団法人を転職や就職で志望するのであれば、事前に知っておいたほうが良いことをお知らせします。
新卒の就職活動であれば、就職活動中の進路変更は簡単ですが、就職してしまえばかなり難関。
人生こんなはずじゃなかったと失敗しないために、公益財団法人はやめとけという理由を知ってみて下さい。
公益財団法人の就職は難しいのにやめとけって正気?
公益財団法人への就職ですが、最近どんどん人気が上がってきています。
特に、最近の転職市場では、残業少なめでプレッシャーの低い仕事が人気になってきているからです。
激務高給、上等!みたいな考えの人は減ってきていますし、のんびり働きたいひとは増加中です。
そんな精神的に楽な仕事を希望する際、当然公益財団法人という仕事も選択肢に上がってきます。
公務員が楽そうな仕事という印象も確かに昔はあったのですが、最近は何かにつけて公務員がスケープゴートにされることを皆んな知っていますから、敬遠されがちということも理由の一つです。
ただ、そんなまったり働きたいという時流に合った公益財団法人という仕事はやはり就職や転職において人気ですが、必ずしもオススメできるものではないとも思っています。
むしろ、みなさんが知らないだけで公益財団法人より楽な仕事で年収が高い仕事ってありますよということをお伝えしていきたいと思います。
公益財団法人はやめとけと言ってしまっても、なんでやめとけなの?となるので、これからの章でご紹介していこうと思います。
転職や就職活動において、ノルマや目標の無い世界でまったり働きながら、年収が高い仕事を見つけるには、事前の対策が重要になって来ますから、一緒に勉強していきましょう。
公益財団法人に就職するメリットは実はそれほど多くない話
公益財団法人に就職・転職したい人は多いですが、リサーチしていくとそれほどメリットがなさそうなので、みなさんにもシェアします。
まず、公益財団法人で働きたいというモチベーションの源泉は、「なんか仕事が楽そうだから」という人がほとんどだと思います。
たしかに、社会的意義も事業規模も大きく、年収も高い公益財団法人も一部に存在し、日本財団や笹川平和財団などの日本で1番・2番の規模の公益財団法人であれば年収も1,000万円に届くなど、非常にホワイト企業であると言えます。
ただ、公益財団法人に対して助成事業を行っている、公益財団法人助成財団センターの2020年度調査では、
- 1990年をピークに91年以降、助成財団の年間設立数は顕著に減少している。
- 985財団の助成事業費の合計は約1,195億円。年間助成額が5,000万円未満の財団が全体の73%を占め、5億円以上の財団は3%である。
- 2005年からの14年間において、少数の大型財団と大多数を占める中小規模財団との二極構造がより進んだと言える
とまとめられており、公益財団法人のなかでも規模の格差=待遇の格差が如実に表れているということが示唆されています。
このことから、上位の公益財団法人に就職や転職できたらもちろん良いのですが、そもそもそれほど大きな公益財団法人無い上に、上位は東証一部上場企業創業者の資産を使って作られた公益財団法人も多く、そうなるとその運営スタッフとして企業からの出向者も多いので、わざわざ採用をやっていないと言えます。
そうなってきたとき、公益財団法人に就職や転職を目指すのであれば、平均年収だけでも734万円と設定されている私立大学職員を目指したほうが、コスパが良いのは間違いないので、オススメです。
特に、【学校法人 大学】で検索してみると2022年2月時点では300件以上の求人がありましたので、私立大学職員のほうが合格可能性も高いと思います。
( ※リクナビNEXTでの検索結果でした 公式HP https://next.rikunabi.com/ )
財団法人に就職して勝ち組な訳がないからやめとけ
財団法人に就職したから勝ち組だ!と信じたい気持ちは分かりますが、ちょっと待ってください。
確かに、トップオブトップの公益財団法人、「日本財団」に就職や転職した勝ち組でしょう。
公益財団法人助成財団センターの調査では、日本財団は資産額日本一のトップオブトップです。
2位が笹川財団なのですが、資産額は2倍引き離しており、圧倒的。
転職市場においても、企業口コミのリアルが見れるオープンワークでも高い口コミが多いです。
昇給は緩やかだが、課長級になると年収1,000万円前後。早ければ30代前半で到達する。賞与は年7ヶ月強。
https://www.vorkers.com/
休みは取りやすく、満足しています。仕事柄もあるのでしょうが、連休には海外旅行へ行く人も多いです。一方で仕事に打ち込もうと思えばいくらでも打ち込める環境があるので、自分でバランスを取るにはもってこいなのではないでしょうか。
口コミからしてトップオブトップ。
働きたいなら働けるし、のんびりしたいならのんびりできるという最強の環境。
そして、ボーナスも7ヶ月強。最強です。
ただ、そんな日本一の公益財団法人というのは、企業で言えば伊藤忠商事やトヨタであり、みんなが行きたいけど、簡単に行けるものではありません。
特に、転職活動では「今の仕事が忙しいから嫌」という理由も多く、全員が大手の公益財団法人に転職できる訳ではないので、確率を考えて自分なりに行けるところの折り合いを付けることが重要です。
そのため、全部の公益財団法人が完全に勝ち組という訳ではないことに注意が必要となります。
公益財団法人が解散すると職員は全員クビで路頭に迷う?
公益財団法人が解散すると、雇用されていた職員はどうなってしまうのでしょうか?
公益財団法人助成財団センターがまとめた統計データでは、この15年間で大型財団とほとんどを占める中小規模剤代の二極化構造がより進み、年間助成額が5,000万円に満たない小規模財団が73%と算出していました。
公務員の天下り批判や時代の流れもあり、公益財団法人が民間企業以上に待遇が良くて公務員より安定しているなんていう時代はとっくに終わっていると言えます。
また、日本自体も国力が低下して公益財団法人に優先的に金を回すというスキームが破綻してきていますから、就職や転職した公益財団法人が解散して無くなるなんてことは十分可能性としてあるのです。
そうなったとき、当然雇用先の公益財団法人の受け皿がない場合、職員は解雇されますし、団体職員というスキルが付きにくい仕事をしている以上、転職活動はかなりの苦戦が予想されます。
そうならないためにも、転職先として公益財団法人を選択することはリスキーです。
公益財団法人への転職の目的が、「楽な仕事をしたい」のであれば、大学職員のほうが年収も良くて安定していますし、大学が倒産するというのは2000年以降地方の本当に小さい大学が14個潰れただけなので、公益財団法人よりも安定していると思います。
実際、私自身も民間企業から楽な仕事を探して、団体職員や公務員、大学職員を考えていましたが、大学職員のほうが30代で年収800~900万円、夏休み3週間、有給休暇もほぼ100%消化と、明らかに待遇が良かったので、そちらを選択しました。
そのため、どのみち民間企業からの転職で楽な仕事を選択したい場合、公益財団法人よりも大学職員を選んだほうが安定しているし、年収も高いのでコスパが良いと言えます。
( ※2021年は慶應義塾・法政・同志社・立命館など大学職員求人が330件ほど、リクナビNEXTでは公開されていました 公式HP https://next.rikunabi.com/ )
公益財団法人でおすすめできる団体ランキング
おすすめできる公益財団法人はどこですか?という質問は非常に多くいただきます。
この回答は、忙しさが嫌で年収が高いほうがいい、休みが多いほうがいいというのであれば、もう答えは決まっています。
迷ったら、デカい会社に行け。これしかありません。
大きい会社(公益財団法人)のほうが、部署も多いですし、仕事も部門で別れている為、ワークライフバランスは間違いなく調整しやすいです。
特に、私自身は現役で大学職員をしていますが、楽な仕事がしたいという想いから公益財団法人も受験しており、大学事務という内勤事務職を経験しているからこそ言えるのは、大学職員も公益財団法人も内勤事務でノルマの無い仕事であるからこそ、大きい会社のほうがやることが細分化されて仕事は楽ということです。
ベンチャー企業を想像してみてください。会社が存続していくために必要な業務もありながら、自ら仕事を作り出して営業していかないと現金が会社に入ってきません。
安定した団体というのは、公益財団法人も大学職員も、言わば寝てても現金が入ってくる仕組みがあるため、楽に稼ぐシステムが出来上がっているということなのです。
公益財団法人助成財団センターの資産ランキングは、企業でいうと売上高のランキング、企業規模ランキングであるため、安定した体力のあるオススメ公益財団法人であると言えます。
- 1位:日本財団(2781億2770万4000円)
- 2位:笹川平和財団(1344億9825万1000円)
- 3位:稲盛財団(1149億1607万4000円)
- 4位:中谷医工計測技術振興財団(1068億8148万5000)
- 5位:上原記念生命科学財団(1038億7266万5000)
日本で資産規模1,000億円超えの超大手公益財団法人は上記5つでした。
しかし、ほとんどが大手企業創業者の公益財団法人の為、独自で採用をやっていない可能性が高そうで、口コミサイトでも日本財団以外ほとんど口コミが無いので、枠は超狭そうな気がします。
公益財団法人の住宅手当なんかに期待するのはやめとけ
公益財団法人の年収や住宅手当は、企業から転職していくには非常に気になる指標であります。
当たりの住宅手当を持つ公益財団法人は、「公益財団法人地球環境戦略研究機関」であり、家賃10万円まで50%補助と、公益財団法人のなかではかなり高め。
公益財団法人の資産ランキングでトップオブトップ、2位よりも2倍の規模で大きい日本財団では、ボーナスが7ヶ月、30代前半で管理職になれば年収1,000万円も可能ですが、そんなコスパ最強の公益財団法人は日本にほとんど有りません。
また、公益財団法人の多くは病院系であることも多く、そうなってくると病院勤務の事務職はヒエラルキーの最下層であり、事務員的な扱いを受けながら、年収は40歳で400万円というレベルが普通だったりします。
その為、公益財団法人への転職を成功させるには、キチンとした情報を取得しながら、安定した高年収の団体を探していく必要があります。
例えば、公益財団法人日本英語検定協会では、39歳で年収1,000万円、ボーナス6.9ヶ月という破格の待遇ですし、公益財団法人日本生産性本部でも35歳で年収700万円と悪くありません。
住宅手当は1.5万円~3万円という公益財団法人が多いのですが、安定している高年収の公益財団法人を探せれば、ノルマや目標の無い世界で年収も公務員以上という待遇も十分に可能だと考えます。
公益財団法人みたいに楽そうな仕事で年収が高いランキング
公益財団法人はやめとけと言いつつも、そのやめとけは「無策で転職することはやめとけ」です。
公益財団法人と言っても、独占企業的な超安定も多くありますから、徹底したリサーチが必要です。
無策で、ただ単に「今の仕事が嫌だから」で転職する人は、間違いなく失敗して悲惨な人生を歩みます。
ただ、キチンとした対策や情報収集ができた人は、公益財団法人の転職で当たりを引けるのです。
公益財団法人でも、年収が高い団体も多くあり、年収1,000万円オーバーは少ないにしても、公務員よりは全然高い基準であれば、到達可能性は高いです。
- 日本財団:30代管理職で年収1,000万円 ボーナス7ヶ月強
- 日本漢字能力検定協会:39歳で年収1,000万円 ボーナス6.9ヶ月
- 日本漢字能力検定協会:27歳で年収700万円
- 公益財団法人沖縄県産業振興公社:48歳で年収700万円 ※公務員準拠+αぐらい
とかなり公益財団法人でも開きがあります。
そのため、年収で当たりの公益財団法人を引くにはかなりのリサーチが必要なのですが、公益財団法人はその性格から一流企業の創業家の団体も多く(稲盛財団=京セラ・稲盛和夫氏、中谷医工計測技術振興財団=シスメックス創業家、上原記念生命科学財団=大正製薬創業家)、企業からの出向者で構成されることも多いので、採用枠が豊富とは言えません、その為、公益財団法人の転職を狙うには、それ一本に絞り過ぎないほうがオススメです。
公益財団法人が潰れないのはごく一部でほとんどが弱小法人
公益財団法人が潰れないと思っていいいのは、実はごく一部の公益財団法人だけで、あとはむしろ簡単に潰れる可能性があるので注意が必要です。
公益財団法人は、年間の助成額が5,000万円に満たない中小財団が全体の73%を占めており、上位の公益財団法人と下位の公益財団法人とで、働く職員の年収やそもそもの公益財団法人としての財務力に大きな格差が生じています。
さらに、公益財団法人の場合、民間企業と違って潰れても影響が小さい為、潰れそうになっても代わりが効いてしまうのがデメリットなのです。
民間企業が潰れるとなった場合、サプライチェーンで関連する企業の連鎖倒産の可能性や、利用する国民に影響が出るなどの理由から、救いの手が差し伸べられることもありますが、公益財団法人の場合は国民生活に影響が出ないので、潰れるときは簡単に潰れます。
公益財団法人の目的が、それぞれがもともと管理する公益財団法人の財産や取り組みなどの保全であり、その機能は簡単に他に移管できる為、代わりがいるということです。
なので、公益財団法人が安泰で潰れないと思っておくのは危険であり、公務員でも民間企業でも無い、この中途半端なポジションだからこそ、事業を継承してくれる受け皿さえあれば、簡単に潰れる可能性があると知っておく必要があります。
公益財団法人が激務だと思うなら社会不適合者だから注意
公益財団法人が激務かどうかという観点では、激務だと思っていると結構ヤバいです。
そもそもが、民間企業のように営利を目的とする企業体でも無く、与えられたミッションを今まで通り平穏に継続していくことが求められます。
また、助成が行われてこそ公益財団法人であり、公益性が高いけど民間企業がやるには儲からない、採算が取れない仕事を公益財団法人が担うことが多いので、仕事が安定していると言えます。
民間企業が営利目的でやるにはコストが合わないからこそ、公益財団法人として非営利団体が永続性を持って行う仕事をあえてやってりいることから、コスト意識や収益への意識は当然民間企業の方が高いので、忙しいと言えます。
この構造は大学職員でも一緒であり、ノルマや目標の無い仕事で、仕事量が多い=ただの事務量が多いだけというものは、民間企業に慣れていると精神的に非常にラクです。
成果を問われない仕事を、緩い期日があってこなしていくのは、非常にラクな事務職であり、この当たりは公益財団法人や大学職員を激務が嫌だから志望するというのは正しい気がします。
仕事も内勤ですし、営業活動をしなくても助成や安定した収益があって事業が継続される為、働いている人間もノンビリしているので、転職先としてはかなりオススメできると思います。
一般財団法人で働くのはやめとけと言われる理由
一般財団法人で働くのはやめとけという理由は、公益財団法人と非常に似ています。
そもそも、性格は非営利の団体で税制面でも優遇されている団体というのは変わらず、規模が公益財団法人>一般財団法人となっていることから、一般財団法人はより公益財団法人よりも小さい非営利団体ということができます。
この場合、やはり公益財団法人よりも財務の安定性という面では劣りますし、入ってくる金が少ないことから年収面でも非常に低く設定されています。
公務員の年収よりもかなり低い事が多いので、生活という面では大変かもしれません。
更には、法人格としての社会的意義も公益財団法人>一般財団法人であることから、もし財務の安定性が損なわれて潰れそうになったとしても、公益財団法人よりも重要度が低いとみなされて助けてくれない可能性が高いです。
そうなると、やはり働く場所としての安定性はそれほど高くないと言え、民間企業よりも仕事はラクだけで潰れるリスクは高い=転職活動時に苦労すると言えます。
なので、やはり財団系で働きたい場合は、より大型のの公益財団法人を目指したほうが将来性や年収も高くなりますから、いきなり最初から一般財団法人を目指すのはやめとけと言えます。